ネット銀行は比較的審査が柔軟傾向にあり、新興企業でも口座を作りやすいと言われています。
ネット専業銀行は店舗コストを抑え、その分手数料の安さやオンラインサービス充実といった利便性を売りにしており、創業間もない小規模企業や個人事業主にも門戸を広く開いています。
実際、ネット銀行各社は「オンライン完結で申し込み可能」「必要書類が少ない」「法人設立直後でもOK」といった特徴を打ち出しており、忙しい起業家でも手間なく口座開設できる場合が多いです。
では、数あるネット銀行の中で、どの銀行の法人口座が最も手続きが簡単で審査に通りやすいのでしょうか?

比較のポイントは、申込手続きのしやすさ(オンラインで完結できるか、必要書類の種類・提出方法、口座開設までのスピード)や、審査基準の柔軟さ(固定電話の有無やバーチャルオフィス住所でも開設可能か、創業直後でも審査に通るか)です。
これから法人設立する方、既に法人経営中の方、そして個人事業主の方にとって、それぞれのネット銀行の特徴が一目でわかるよう、できるだけ平易にまとめました。

住信SBIネット銀行の法人口座
住信SBIネット銀行(現ブランド名「NEOBANK」)は、SBIホールディングス系列で信頼性が高く、ネット銀行としても古参の部類に入ります。
法人口座開設においても非常に人気が高く、審査が柔軟で使い勝手が良い銀行として多くの起業家に選ばれています。

申し込み時の必要書類は、原則「運転免許証」だけでOKという手軽さで、免許証を使ったオンライン本人確認を行えば追加書類提出も不要です。
実際、「運転免許証があれば書類郵送なしで申し込め、最短翌営業日に口座開設が可能」と公式に案内されています。
もし免許証を持っていない場合でも、必要書類一式を郵送提出する方法で開設できますが、その場合は口座開設完了まで約2週間ほど要します。

審査面でも、住信SBIネット銀行は固定電話不要(携帯電話連絡先で問題なし)、バーチャルオフィスの住所でも開設可能とされています。
実際に「バーチャルオフィスでも法人口座開設ができた」という利用者の口コミも報告されており、オフィス形態にとらわれず柔軟に対応していることがわかります。
審査過程は基本的に提出書類の確認のみで、対面のヒアリング面談等もありません。
ネット銀行の中でも歴史が長いことからシステム面の信頼性も高く、セキュリティ対策も充実しています。

同行宛て振込は無料、他行宛ても一律145円(税込)ですが、前月(前々月)の利用状況に応じて最大130円まで割引されます。
また、一定の条件を満たすと他行宛振込が月数回無料になる優遇も受けられるため、送金が多い企業にはコスト削減効果が大きいでしょう。
「メガバンクだと法人ネットバンキング利用料が毎月数千円かかるが、ネット銀行なら無料なので助かる」という声もあるように、住信SBIネット銀行は基本手数料無料・振込安価でランニングコスト面の優位性があります。
総じて、住信SBIネット銀行は「店舗手続きゼロ」で開設でき、なおかつ信頼性とコスト面のバランスが良い法人口座です。

GMOあおぞらネット銀行の法人口座
GMOあおぞらネット銀行は、数あるネット銀行の中でも新設法人に最もおすすめと評価されている銀行です。
公認会計士や税理士の間でも「起業直後に1番おすすめの法人口座」としてしばしば名前が挙がり、実際に起業支援の専門家自身も利用しクライアントにも薦めている事があります。

GMOあおぞらネット銀行では、法人設立当日からオンラインで申込み可能で、申し込み受付は24時間365日対応しています。
必要書類は極めて少なく、代表者の本人確認書類(身分証明書)と事業内容確認書類1点以上のみです。
しかも登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や印鑑証明書の原本提出は一切不要で、Web上に画像データをアップロードするだけで完結します。

実際、GMOあおぞら公式でも「登記簿や印鑑証明の提出・押印・郵送は必要なく、インターネット上の操作だけで口座開設が可能」と謳っています。
審査に関しても非常に寛容で、バーチャルオフィス住所でもOK、固定電話番号不要、面談不要と、起業したての会社がつまずきやすい要素をことごとくクリアしています。
必要書類こそ最小限ですが、事業確認書類は「情報量が多いほど審査通過率が上がる」とされており、例えば事業計画書やホームページの画面キャプチャ、パンフレットや契約書の写しなど用意できるものは追加で提出すると良いでしょう。
もっとも、それらが無くても最低限の書類で審査してもらえますし、「起業したばかりでも審査に通る可能性が高く、スタートアップに優しい」との利用者の声もあります。

口座開設スピードも最速で、最短即日で利用開始という驚異的な速さです。
申込から審査完了まで早ければ数時間~半日程度で完了し、その後ログイン情報の案内がメール等で届きます。
キャッシュカードは後日郵送されますが、カード到着前でも振込などネットバンキング機能は使えるため、会社設立当日から資金移動を開始することも可能です。
「法人口座開設が1週間以内でできて、すぐに支払ができた」という口コミもありスピード感は抜群です。

他行宛て振込手数料は1件あたり145円(税込)ですが、法人設立後1年間は毎月20回まで他行振込手数料が無料になるキャンペーンを実施中です。(※2025年6月時点)
1年以降も、例えば前年利用状況に応じて一定期間無料枠がもらえるなどの優遇策があります。
同行宛て振込は無制限に無料で、ATM手数料も月5回まで無料で利用できます。
また、ネット銀行で唯一、社会保険料や労働保険料の口座振替に対応しているのも大きなメリットです。
通常、社会保険料の引き落としはメガバンクかゆうちょ銀行の口座が必要でした。
しかしGMOあおぞらならそれが可能で、毎月の納付手続きを自動化できます。
さらに、法人税や消費税のダイレクト納付にもネット銀行で初めて対応しました。

もちろん会計ソフトとのAPI連携やWeb明細、複数ユーザ権限管理、バーチャル口座など、IT企業が欲しい機能は一通り揃っています。
総合すると、GMOあおぞらネット銀行は「とにかく早く簡単に法人口座を作りたい!」という起業家に真っ先におすすめできる銀行です。
その場で登記簿や印鑑証明を用意できなくても申し込めますし、審査の通りやすさもトップクラスです。

楽天銀行の法人口座
楽天銀行は口座数や預金残高で国内トップクラスのネット銀行で、法人向けの「ビジネス口座」も提供しています。
Webからの申し込みは最短5分程度で完了し、その後の書類提出を経て口座開設となります。
楽天銀行の場合、必要書類を郵送で提出する手続きが必要で、提出書類には「法人ビジネス口座開設申込書」のほか、代表者の本人確認書類、法人の印鑑証明書、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)、そして事業実態を示す資料などが含まれます。

楽天銀行で注意すべき点は、申込時に会社の固定電話番号の登録が必須であることです。
公式のQAにも「口座開設申込時に携帯電話を登録することは可能ですか?」という質問があり、そこで「携帯電話のみの登録では申し込みできない」旨が案内されています。
したがって、オフィスの固定電話を引いていない企業は、楽天銀行の口座開設前にIP電話でも良いので発信者番号表示できる電話番号を用意する必要があります。
この点以外は、バーチャルオフィス住所での登記でも審査可能であり、面談など対面手続きも不要です。

申込内容や書類不備がなければ、2週間ほどでキャッシュカード等が郵送され利用開始となるでしょう。
楽天銀行はネット専業ながら給与振込機能に対応している点が特徴で、従業員への給与支払いデータを一括登録する「給与振込サービス」を利用できます。
ネット銀行では未対応のところも多いため、給与支払いをスムーズにしたい企業にはメリットです。
振込手数料は同行宛て52円、他行宛ては3万円未満150円・3万円以上で229円と、他のネット銀行よりやや高めの設定ですが、振込額にかかわらず他行宛て一律である銀行(145円程度)との比較では、小額(3万円未満)の振込なら大差はありません。

例えば楽天証券との連携で普通預金金利が優遇される(マネーブリッジ適用で年0.10%→0.4%などの施策)点は、余裕資金を預ける際に魅力です。
もっとも「開設しやすさ」に関して言えば、楽天銀行は他のネット銀行に比べると審査基準がやや厳しめとの指摘もあります。

PayPay銀行の法人口座
PayPay銀行は旧ジャパンネット銀行が名称変更したネット銀行で、オンラインサービスに強みがあります。
口座開設手続きは基本的にWeb上で完結し、公式サイトから24時間申し込み可能です。
ただし、申込後に所定の必要書類を郵送で提出する必要があります。
提出書類には、PayPay銀行所定の口座開設申込書、代表者の本人確認書類(運転免許証など)に加え、会社の実態や事業内容を確認できる資料が含まれます。

審査面では、PayPay銀行は「比較的柔軟」と評価されるネット銀行の一つです。
固定電話番号の有無は必須ではなく、携帯電話でも申請可能であるため、オフィスに固定電話を引いていない新興企業でも利用しやすいでしょう。
一方で、本社住所がバーチャルオフィスの場合は、審査ハードルがやや高くなる点に注意が必要です。
具体的には、「バーチャルオフィス住所での開設希望の場合、会社HPに具体的な事業内容を明記していること」と「設立から半年以上経過していること」が求められます。
また、主たる事務所の賃貸契約書の提出を求められるため、設立直後で住所がバーチャルオフィスのみだと審査はやや厳しくなる傾向です。

実際に「ネットで簡単に開設でき、Pay-easyも利用できるので創業直後でも十分機能が揃う」といった利用者の声もあります。
個人事業主に対しても比較的柔軟に事業用口座を開設してくれる例があり、法人だけでなくフリーランス・自営業者にも使いやすい銀行と言えるでしょう。
口座開設の所要時間は最短で3営業日程度です。
審査に通過すると、まず代表者住所に簡易書留でトークン(ワンタイムパスワード生成機)が送付され、続いて法人所在地あてにキャッシュカードが書留で届きます。
初期設定を済ませればインターネットバンキングが利用可能となります。
振込手数料は同行宛て55円、他行宛て160円(税込)と低コストで、月額基本料も無料です。
ただし他のネット銀行と比べると、同行あて振込が無料ではない点は留意しましょう。

大和ネクスト銀行の法人口座
大和ネクスト銀行は、大和証券グループが100%出資するネット銀行で、本来は大和証券の顧客向けに設立された銀行です。
他のネット銀行とは少し性格が異なり、口座開設には大和証券の証券口座保有が前提となります。
具体的には、「既に大和証券に証券口座を持っている方、またはこれから大和証券の証券口座を開設する方」に限り、「ダイワのツインアカウント」として大和ネクスト銀行の預金口座を開設できる仕組みです。

手続きの流れとしては、まず大和証券で法人名義の証券口座を開設し(既存で持っていれば不要)、その後に大和ネクスト銀行の口座開設申込を行います。
申込自体はWeb上から行えますが、最終的な口座開設手続きは大和証券との連携の中で進む形になります。
必要書類としては法人の登記簿謄本や印鑑証明書、そして手続き担当者(来店者)の本人確認書類などが必要で、新規口座開設時には、大和証券の店頭での確認が求められる場合もあります。
少なくとも、大和証券の口座開設時に対面または郵送での厳格な本人確認・書類提出プロセスがありますので、完全オンラインでスピーディという他のネット銀行とは異なります。
審査に関して言えば、大和ネクスト銀行単体の審査基準は公表されていませんが、証券口座開設時に法人の事業内容や財務状況なども含めた審査がなされると考えられます。

そのため、手続きや審査の厳しさはメガバンクで法人口座を作るのに近い印象です。
一方で、大和ネクスト銀行は預金金利が比較的好条件(定期預金や大口預金の金利がメガバンクより高め)であったり、証券口座との連携で資金をシームレスに行き来できるメリットがあります。
もし「証券運用も視野に入れており、証券+銀行をまとめて開設したい」という場合には、大和ネクスト銀行口座を開設する意義はあるでしょう。
まとめると、大和ネクスト銀行は一般的なネット銀行とは開設条件が異なり、利用できる企業は限定的です。
開設までのハードル(証券口座開設)がある分、今回紹介する9社の中では手軽さや審査の通りやすさという観点では劣ります。
しかし証券取引を行う法人にとっては、証券投資用資金を高金利の預金で運用できる利点があります。

イオン銀行の法人口座
イオン銀行では、法人および個人事業主名義の新規口座開設は原則として対面での手続きとなります。
具体的には、まずインターネット上の「法人口座開設申込フォーム」に必要事項を入力して仮申込を行います。
フォーム送信後、銀行側で審査を行い、受付から1~2週間以内に登録したメールアドレス宛に「口座開設を取り扱えるかどうか」の連絡が来ます。

無事「取扱可能」と連絡が来たら、指定された必要書類を準備のうえ、原則としてイオン銀行の法人営業拠点(現在は東京・大阪の2か所)に担当者が出向いて対面手続きを行います。
その場で書類提出・本人確認・印鑑届などを済ませ、口座開設となります。
地方に本店がある法人の場合でも、この東京または大阪の拠点に行かなければならないため、ハードルはやや高めです。
必要書類としては登記簿謄本、印鑑証明、代表者本人確認資料など一般的なものに加え、事業内容を確認できる資料提出や面談時の質問などが想定されます。

サービス面では、イオン銀行の法人向けネットバンキング「ビジネスネットサービス」が利用可能です。
これはWebで残高照会や振込、口座振替などができる法人専用インターネットバンキングで、別途申込により利用開始できます。
口座そのものには通帳は発行されず、明細はネットまたは郵送発行の取引明細書で確認する形です。
また、イオン銀行のキャッシュカードは法人の場合デビットカード機能が使えない点も留意が必要です。
公共料金やクレジットカード代金等の口座振替は利用できますが、種類に制限があるため詳細は問い合わせが必要とのことです。

つまり入出金は提携ATM(イオン銀行ATMや提携コンビニATM)を利用する形になります。
以上のように、イオン銀行の法人口座は開設までに時間と手間がかかる反面、イオングループという安心感があります。
特に「対面でしっかり説明しながら開設したい」「地元にイオン銀行の拠点があるので相談しやすい」という場合には検討に値します。
しかしスピード重視でとにかく早く口座を作りたい起業直後の方には、他のネット銀行の方が適しているでしょう。

ローソン銀行の法人口座
ローソン銀行における法人口座開設は、非常にユニークな条件があります。
ズバリ、「ATM入金サービス」を利用する法人しか法人口座を開設できないのです。
公式サイトにも「法人口座開設は『ATM入金サービス』をご利用希望のお客さまの申込のみ受付」と明記されており、口座単体のお申込みはできない、とされています。

口座開設とサービス利用開始までに数週間程度は見ておいた方が良いでしょう。
必要書類も多岐にわたり(登記簿謄本、代表者・実質的支配者の本人確認書類、事業内容確認資料など)、一般的なネット銀行口座開設より手間はかかります。
ローソン銀行法人口座の特徴は、開設と同時に「資金集中用口座」と「入金専用口座」の2口座が作成される点です。
入金専用口座にはキャッシュカードが発行されず、各店舗スタッフなどがATMから預け入れた現金はこの入金専用口座に一時プールされます。
そして翌営業日夜間に自動的に資金集中口座(メイン口座)へ振替えられる仕組みです。

審査に関しては、申込条件として「申込目的が店舗や集金等で発生した現金の売上金の回収用であること」が明示されており、この目的に合致しない場合は申し込んでも断られる可能性があります。
また、法人の業態にも制限があり、投資事業組合や匿名組合など一部の組合形態の法人は対象外です。
要件を満たせば審査自体は特段厳しくなく、基本事項の確認が中心と思われます。
ローソン銀行自体、新興の銀行で顧客基盤を拡大したい立場でしょうから、正当なビジネス目的の企業であれば積極的に受け入れてくれると考えられます。
まとめると、ローソン銀行の法人口座は「現金売上の入金先」として特化した口座です。
小売業・飲食業など毎日の売上現金を安全に集金したい企業には便利ですが、反対に現金売上が発生しない業態(IT業やコンサル業等)にはそもそも利用資格がないため注意してください。
また、単なる振込決済用のネットバンクとしても利用できません。

セブン銀行の法人口座
セブン銀行の法人向けサービスも、ローソン銀行と似通っており、単体の法人口座開設のみを受け付けていません。
公式サイトの法人トップページには「法人口座開設のみのお申込みはお取り扱いしておりません。サービスのご利用が必須となります。」との記載があり、何らかのサービス契約とセットでないと口座開設できない方針が示されています。

- セブン銀行の「売上金入金サービス」を利用する法人
- セブン銀行の決済サービス等と提携する企業
したがって、単に振込用や資金管理用として、セブン銀行に口座を作りたいというだけでは申し込めない点に注意が必要です。
特に「売上金入金サービス」はセブン銀行法人サービスの目玉で、こちらの利用申込をする法人には自動的に口座開設もセットで行われる形になります。
サービス利用の申込手順は、まず問い合わせやWebエントリーから始まり、担当部署との打ち合わせ・契約締結と進んでゆきます。

ATM入金サービス用には専用の「入金カード」が企業向けに発行され、従業員が店舗レジの現金をATMに預け入れる際に使用します。
預け入れた現金はリアルタイムまたは一定時間毎に自社名義のセブン銀行口座に反映される仕組みで、各店舗の入金明細もWeb上で確認できます。
セブン銀行の場合、ローソン銀行と違い「資金集中口座」「入金専用口座」といった2口座構成ではなく、入金カードごとに識別子がついていても最終的には一つの法人口座にまとめられる形のようです。
審査面については、「売上金入金サービス」を利用する法人、またはセブン銀行と提携関係にある法人に限定していることが条件になっています。
したがって、新設法人でも利用目的が明確(リアル店舗あり現金売上あり)で、他にメインバンク口座も持っているような場合には、セブン銀行の審査も問題なく通るでしょう。
一方、オンライン完結型の事業で現金売上がない場合は利用資格が無いため審査以前の問題となります。
以上を踏まえると、セブン銀行の法人口座(売上金入金サービス利用口座)は、ローソン銀行と同様に「リアル店舗の現金管理を効率化したい企業向けの専用口座」です。
審査も利用条件さえ満たせば柔軟と言えますが、サービスを利用しない法人には門前払いとなる点で特殊です。
コンビニATMを使った売上金集配は防犯上・効率上メリットが大きいため、チェーン展開する飲食・小売業などには魅力的でしょう。

SBJ銀行の法人口座
SBJ銀行は、韓国の大手銀行である新韓銀行(Shinhan Bank)の日本現地法人です。
ネット専業ではなく実店舗(支店)も構える銀行ですが、預金金利の高さやサービス内容から「ネット銀行的な魅力」を持つ銀行として知られています。
SBJ銀行は個人・法人双方に積極的に口座を提供しており、外資系ということもあってか比較的新しい法人にも審査が柔軟だとの評判があります。

口座開設手続きは基本的に来店が必要です。
SBJ銀行は東京、大阪、名古屋、福岡などに支店を展開していますので(都市部中心)、そこに法人の代表者または担当者が出向いて手続きを行います。
新規法人口座開設時の提出書類は、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)と法人の印鑑証明書が必須です。
加えて、窓口に来店する方(代表者本人または代理人)の公的な本人確認資料(運転免許証、マイナンバーカード、在留カード等)および法人との関係を証明する書類(例えば来店者が社員なら社員証や代表者からの委任状、来店者が代表者本人ならその旨)を提出する必要があります。
審査は店頭での書類審査と面談により行われます。
外国銀行ですが日本の銀行法に基づいており、審査基準が特別甘いということはありません。

特にSBJ銀行は在日韓国企業やグローバル展開する中小企業の受け皿として設立された経緯もあり、比較的少額の資本金やスタートアップ企業にも対応してきた実績があります。
そのため、起業直後で大手銀行に断られた場合の受け皿としてSBJ銀行を検討する価値は十分にあるでしょう。
サービス面では、外国送金や外貨預金に強みがあります。
SBJ銀行は外為対応が充実しており、例えば海外送金手数料は他行より低めの水準(3,000円+為替手数料1,000円~)に設定されています。
また、米ドルやユーロなどの外貨普通預金・定期預金口座も法人で開設可能で、金利も比較的高めです。
国内振込手数料は同行宛て無料・他行宛ても3万円未満で300円程度と、メガバンクより安くネット銀行並みに抑えられています。
さらに、法人向けインターネットバンキング「SBJ Biz-DIRECT」も提供しており、会社のパソコンから残高照会や振込、海外送金指示などを行えます。

SBJ銀行のユニークな点は、預金金利の高さです。
例えば普通預金金利は0.20%(1000万円以下部分)とメガバンクの数十倍に相当する利率を提示しています。
さらにスマホアプリから口座開設すると0.30%、年金受取口座に指定すると0.40%といった金利上乗せキャンペーンも展開しており、ネット銀行顔負けの金利水準です。
定期預金も商品種類が豊富で、「ミリオくん」(預入上限100万円)という定期では1年もの年0.60%など極めて高金利の商品も用意されています。
したがって、「メインバンクとは別に、高金利の銀行に資金を置いておきたい」というニーズにも応えられます。
総合すると、SBJ銀行は「外貨送金・外貨預金や高金利運用を重視する法人」や「メガバンクで口座開設を断られた新設法人」の受け皿として魅力的です。
開設に手間(来店)はかかるものの、その後の利便性やメリットは大きいでしょう。
ただし、対面手続きが必須な点・支店が都市部に限られる点では地方の企業には使いづらいかもしれません。
